今回は、“航空業界はどんな業界なのか”というテーマについて、紹介します。
・エアラインは何産業?
航空業界と一括りにされることが多いですが、航空業界は「装置産業」「労働集約型産業」と言われています。
装置産業とは、大型の施設や設備を要する産業のこと、多額の資本投資が必要な産業。(例:ホテル、不動産、銀行、石油化学工業など)
労働集約型産業とは、事業活動の大半を人に頼らなければならない産業のこと、売上高に対して、人件費が多い産業。(例:農林水産業、サービス業、医療・福祉など)
航空業界は、多額の設備投資が必要で、かつ労働力の確保も必要となります。誰でも簡単に始められる事業ではないため、参入障壁が高いです。そのため、寡占市場に位置しています。
・主な事業は?
「旅客事業」と「貨物事業」です。
旅客事業とは、人の移動がメインの事業です。チケットの予約から目的地に移動するまでが旅客事業です。
貨物事業とは、荷物(貨物)の移動がメインの事業です。どれくらいの大きさ(量)の荷物をどこまで、いつまでに届けるのか、いくらで依頼を受けるのか、どの飛行機で運ぶのかということを業務として行います。
・エアラインビジネスで最も大切なことは?
“安全”です。何よりも、安全が最優先となります。
航空機は、人々や物の移動がビジネスの軸となっています。そこで、安全が確保されていない乗り物では誰も利用してくれません。
過去には、ハイジャック事件や墜落などの事故も起きています。このようなことが発生してしまうと航空会社の信頼は下がるだけでなく、お客様や周りの方へも多大なる迷惑をかけてしまうことになります。
そのため、航空会社で最も大切なことであり、常に意識しなければならないことが“安全”なのです。
そのほかに、ビジネスという観点では利益を上げることも重要なことです。
航空会社は、冒頭に説明したように装置産業であり、設備に多額の投資が必要になります。しかしながら、簡単に儲からない路線を廃止することはできません。
なぜなら、その路線を生活として必要としているお客様がいるからです。そのような難しい状況を整理しながら、利益を出すことも求められます。
・エアラインビジネスの弱点は?
航空産業は、外的要因を受けやすいという特徴があります。
新型コロナウイルスのような感染症が大流行した時には、日本だけでなく世界中の航空会社が大赤字となりました。これをきっかけに、経営破綻した航空会社もあります。
過去には、リーマンショックやSARS、9.11などのテロの影響も大きく受けています。
さらに、装置産業であるという点から、設備に膨大なお金がかかります。
新型コロナのように、予測ができない社会の動きにより大きな損失を出してしまうことがあるのです。
他には、世間からの注目度が大変高いため、メディアによる報道の影響も大きく受けます。
〇〇航空がステイ先で、飲酒をしていたということだけでもニュースになってしまいます。
それほど注目度が高い業界と言えます。
・まとめ
航空業界は、多額の資本投資が必要な「装置産業」であり、多くの労働力を必要とする「労働集約型産業」に分類されます。このため、参入障壁が高く、寡占市場となっています。主要な事業は「旅客事業」と「貨物事業」であり、どちらも人々や物の移動を軸に展開されています。
エアラインビジネスにおいて最も重要な要素は「安全」であり、安全が確保されていないと信頼を失います。利益を上げることも重要ですが、設備投資が多額であるため、簡単に路線を廃止することができず、利益を出すのが難しい状況もあります。
また、航空業界は外的要因に影響を受けやすく、新型コロナウイルスの大流行やリーマンショック、9.11などの出来事が経営に大きな影響を与えてきました。さらに、世間からの注目度が高いため、メディアの報道の影響も受けやすい業界です。
まとめとして、航空業界は安全性の確保を最優先にしつつ、設備投資や労働力の確保に努め、外的要因やメディアの影響に対処しながら利益を上げることが求められる産業です。