エアライン業界やサービス業界に就職、転職を目指している人やこれから働く人なら、一度は「おもてなし」について考えたことがあると思います。
おもてなしとはなんですか?と聞かれた時に、あなたなら何と答えますか?
私は、客室乗務員として働く前はおもてなしについて深く考えることはなかったので、面接で聞かれた時に答えられるように準備だけはしていました。
実際に2回くらいエアラインの面接でおもてなしに関する質問をされました。
私は当時、「相手のことを考えて行動することがおもてなし」だと考え、具体例として、留学先で6才のホストファミリーの誕生日パーティーににリンゴをウサギの形に切って喜んでもらえたというエピソードを話しました。
今思い返しても、問題のない回答だと思いますが、実際に機内で行うおもてなしがどんなものか知っておくことで、おもてなしを想像しやすくなると思います!
そこで今回は、機内でお客さまにどんなおもてなしをしているのか具体的なエピソードを3つ紹介しようと思います。
全て実際の出来事です!
エピソード① 日本らしいおもてなし
この便で行ったおもてなしは、搭乗中に「お帰りなさいませ」と挨拶をすることです。
シンガポール路線はビジネス路線として多くのサラリーマンの方が利用しています。
数日間の出張で日本へ帰って来られる方もいれば数ヶ月現地へ滞在されている方もいます。
日本の大手航空会社の運賃は他と比べても高いですが、選んで乗って下さっているので飛行機に乗った瞬間から日本らしさを感じていただきたいと思い、「お帰りなさいませ」と挨拶をするようにしました。
会社にはよく「CAさんのお帰りなさいませという言葉で日本に帰ってきたんだなという気持ちになり、安心感や懐かしさを感じました」という嬉しいメッセージが送られてくることがあります。日本の航空会社だからできるおもてなしの一つではないかなと思います。
とても簡単で小さなことではありますが、飛行機に乗った瞬間から日本を感じてもらえるようなおもてなしです。
エピソード② 手書きのメッセージでおもてなし
日本へ初めて訪れた外国人の女性客へ、オススメの観光スポットを手書きのメッセージにして手渡したおもてなしエピソードです。
機内に乗り込んでから、ずっとキョロキョロと周りを見渡している女性がいたので何か困っているのかと思い、声をかけました。
女性は、一週間前にスペインから日本へ1人で旅行に来て、これから京都に行くのを楽しみにしていると話をしてくださいました。
そこで私は、大阪から京都に行くまでのおすすめのスポットを書いて、困った時は日本語で「SUMIMASEN(すみません)」と声をかけて尋ねるといいです!という内容のメッセージを書いて女性に渡すことにしました。
メッセージを渡しに行くと、とても喜んでいただけました。日本語の挨拶の仕方を教えて欲しいと言われ、フライト時間に余裕もあったので、日本語レッスンをして機内でも楽しく過ごしてもらえることができました。
飛行機で過ごす時間は移動時間を少しでも楽しく感じて頂けたのではないかなと思います!
エピソード③ GSとCAで協力しておもてなし
グランドスタッフと客室乗務員でハネムーンのお客さまをおもてなししたエピソードです。
客室乗務員はグランドスタッフに搭乗開始前にコンタクトを取ります。その時、グランドスタッフの方から、これから搭乗される〇〇さまがハネムーンでイタリアへ行かれるのでこのメッセージカードを座席に置かせて頂けませんか?と依頼がありました。
グランドスタッフの方も忙しいので、CAがメッセージカードを預かり座席に用意しました。
CAからもお祝いをしたいと思い、上空でCAからのメッセージカードを持って行き、「もしよければ記念に写真を撮りませんか?」と声をかけました。
2枚のメッセージカードを持った幸せそうな新婚さんを撮ることができ、ハンムーンをお祝いすることができました。
今回のように、グランドスタッフの方からハネムーンや誕生日などの安全に関わること以外で、事前にお客さまに関する情報をいただくことはよくあります。
お客さまもグランドスタッフに伝えたことがCAにも伝わっていたら、安心や喜びにもつながります。
「マニュアルではないサービスをしてお客さまに喜んでいただきましょう」このような言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
サービスにはマニュアルがありますが、おもてなしには会社のマニュアルはありません。
何か成し遂げようと、大掛かりなことは考えなくていいと思うので相手のことを考えて喜ばれることをすればそれがおもてなしになると思います!
また、おもてなしエピソードがあれば書き足して行こうと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございます!