いつも現役CAのLogblogを読んで下さっている方、ありがとうございます。
また、今回初めて読む方も見つけて下さりありがとうございます。
私はコロナウイルスが蔓延している今も、国内線・国際線共にフライトをしています。
今回は、最近行ったニューヨークフライトについてお話ししたいと思います。
命懸けと言うと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、私としてはそれくらいの気持ちでフライトに臨みました。
ニューヨークは現在コロナウイルスに15万人の人が感染していて、6千人を超える人が亡くなっています。
私がニューヨークへ行った時はここまで大きい数字ではありませんでしたが、それでも12万人を超えている時でした。
そんな感染者が爆発的に増えているところへ、行くと思うと大変気が重くなりました。
「行かなくてもいいなら行きたくない」「お金は別に要らないから、行きたくない」
「なんで私なんだろう」「こんな時に飛行機飛ばすの?」そんな風に思いました。
客室乗務員のスケジュールは一月毎に出ます。しかし、今は減便や運休になる便が大変多い為、急なスケジュール変更も普段よりも多いです。
元々は国内線を乗務する予定でしたが、急遽ニューヨークへ行くことになりました。
「ニューヨークへのフライトをお願いします」と言われた瞬間・・・
頭が真っ白になりました。
仕事だから仕方ないと思う人もいるかもしれませんが、私は行きたくないと思う気持ちの方が正直強かったです。
きっと仮病か何か理由をつけて休んだ人もいると思います。
自分の身は自分で守るしかないのです。
行くか仮病を使って休むか迷いましたが、行くことを決めました。
こんな状況で飛行機を飛ばさなければいけないのか、こんな時にニューヨークへ行く人がいるのかと思いましたが、医療関係者や離れた家族のために移動しなければならない人がいるかもしれないと思うと、フライトを休もうと思えませんでした。
今までのCA人生でこんなにも危機感のあるフライトは、初めてでした。
まるで戦場に行くような気分と言えると思います。
自分が保菌者かもしれない。お客さまに感染者がいるかもしれない。そう思うと本当に怖いです。
医療現場で感染者と戦う医師や看護師のことを考えると、こんな風に考える暇さえもない。常に危険と隣り合わせで働いていることを身近に感じました。
機内でお客さまからニューヨークへ行く理由、日本へ行く理由を聞くことはできませんでしたが、母親と子どもだけで移動している人や、家族みんなで帰国する方も多かったです。
飛行機へ乗り込んで座席周りの消毒をしているお客さまもいました。手袋やサングラスをしている人も多く、危機感を持って乗っているということを感じました。
がらんとした空席ばかりの機内は、今まで見たことのない光景でした。
フライト中もお手洗いの清掃をして、消毒をして、出来ること限り感染防止に尽くしました。
今は、自分に症状が出ないこと、感染していないことを祈ることしかできません。
ニューヨークへ行くことで、家族にも心配をかけてしまいました。
小さい頃から憧れていた客室乗務員になれたことを私の周りの多くの人が喜んで、応援してくれました。
私が客室乗務員を目指していた時、こんな予想も想像も全くできませんでした。
自分の身を危険に晒すことになるなんて思ってもいませんでした。
忙しいフライトは、まさに戦場のようと、本で読んだことがありましたが、今この状況こそがまさに戦場だと感じてしまうくらいです。
ニューヨークでは、一歩も外に出ることなくステイ時間を過ごしました。
ニューヨークに到着してホテルに向かう最中、多くのマスク姿のアメリカ人を見かけました。1ヶ月半くらい前に来た時は、マスクをしている人は全然いなかったのに、状況の変化が感じられました。
全く外に人がいないのかと思っていましたが、ジョギングや散歩、2人くらいでサッカーをしている人も多く見かけました。
日本よりは出歩いている人は少ないけれど、それでもこんなに感染が拡大していると思うと、緊急事態宣言が出たのにも関わらず、多くの人が出歩く日本がとても恐ろしく思えます。
自分は大丈夫。と言える状況ではないことは分かっていますが、気を強く保つために「自分は感染しない。他人を感染させない」そう思うようにしています。
以上、『命懸けのニューヨークフライト』に関するお話です。
みんなで協力し合って今を乗り切りましょう!
−追記−
後日、私が担当したニューヨーク便に搭乗されたお客さまからお手紙が届きました。
「客室乗務員も感染するかもしれないというリスクがある中で、飛行機を飛ばして下さりありがとうございます。無事に日本に帰ることができて良かったです。」という内容でした。(実際は長文です)
正直なところ、行きたくないと思っていましたが、行って良かったです。
役に立つことができて良かったです。