就活生の方、またパイロット・CA志望の方は「航空会社に就職、パイロットやCAは危ないんじゃない?」「危険なら辞めた方がいいんじゃない?」などと、周りから心配された経験ってありませんか?
私はあります。母から「本当に安全なの?大丈夫かな・・・」と言われました。
私はその時「地上にいるより安全」と何の根拠もなく言っていましたね(笑)
実際、空港はテロ対策に力を入れており、飛行機も安全とされる基準を満たしていないと飛ぶ事ができないようになっている為、私は安全と言い切れます。
しかし、それでも重大な事故が起きてしまいます。人が飛行機作り、飛ばす限り防げない事なのかもしれません。
今日は、暗い話をしたいのではなく、どんな事が飛行機に乗っていると起きるのか知って頂きたいと思い、重大事故ではなく、日常で起きるトラブルを私の体験を交えて紹介したいと思います。
また、お客さまご自身で危険を避けられる事もあるので参考にしていただければと思います。
・落雷
天候の悪い日、発達した積乱雲を通り抜けなければならない時が時々あります。
ベルト着用サインが点灯中、一瞬「ピカッ」と光って少し揺れた事があり、近くの先輩と目を合わせました。先輩から「雷落ちたね」と言われ、「これが雷か〜。」と思った事があります。その時お客さまはざわつく事もなく、雷にも気がついていないご様子でした。
直ぐにキャプテンから客室に異常がないか連絡が来ましたが、客室に異常なし、コックピットにも異常なしという事で目的地に向かいました。
落雷後も何事もなく、目的地に着きましたが、一度落雷を受けた飛行機は整備士が機体全体を整備(チェック)しなければいけません。その為、その飛行機で2往復する予定が変更となってしまい、CAもパイロットも、整備士も急に忙しくなりました。
飛行機に乗っているお客さまに影響はありませんでしたが、その飛行機が使えなくなる事で他の便が遅延してしまうという事もあります。そうなると地上係員の方の業務も増えてきます。
積乱雲を避けて飛ぶ事ができる事もあれば、積乱雲の中を通るルートの時もあり、落雷は頻繁に起きています。その度に、整備士がしっかりと点検をしてくれている為、私たちは安全に飛べています。もしも、雷が落ちたと思っても、飛行機は放電索という雷を逃す構造でできているので、特別不安に思うことはありませんので安心してください。
・突然の激しい揺れ
飛行機に何度か乗ったことのある方なら、経験した事があると思います。飛行機は、予期できない突然の激しい揺れに見舞われる事があります。
過去には、CAが天井に頭をぶつけたり、吸い込まれたという悲惨な事もありました。
予測できるものに関しては、機長から激しく揺れる前にCAに連絡があり、これから揺れるからカートなど危険になるものを収納するように指示がきます。
しかし、本当に突然揺れる事が稀にあります。お客さまとして乗る場合は、ベルト着用サインが消灯していても必ずシートベルトを着けてください。そのベルトが身体を守ってくれます。
また、大きな荷物、重いものは受託手荷物として預けて下さい。
大きな揺れで、荷物が浮いてお客さまご自身や、周りの方を負傷させてしまうかもしれません。
保安要員として働くキャビンアテンダントですが、予測できない揺れが起きた場合に全てのお客さまのベルトは確認できません。アナウンスをするしかないのです。その為、お客さまご自身で常にシートベルトを着ける意識を持って頂きたいと日々乗務をしながら思っています。
因みに、大きな揺れがあっても天候の影響で揺れることがほとんどの為、過度に心配なさらないで下さいね。
・急病人が発生する
私がギャレーで作業をしていた時、突然背中に「ドンッ」と大きな塊がぶつかってきました。びっくりして後ろを振り返ると、男性が私の足下で背を向けて座っています。
声を掛けても、目をパチパチさせて「大丈夫、大丈夫」と言っています。でも、焦点が合っておらず、直ぐに正常な状態ではないと感じ、周りの先輩を呼んでお客さまの容態を確認することになりました。
そのお客さまは仕事で疲れた状態で飛行機に乗り、3杯ほどお酒を飲んで、体調が悪くなったという事で、その後回復されました。
こんな事が機内ではよく起きます。機内では地上と比べて2倍ほど酔いやすいです。そのことを知った上でお酒を飲むように心掛けて下さいね。
ラウンジで飲んで、機内で飲んでないから大丈夫と思っていても、酔いが急に回る事があります。あまりに酔っているお客さまは搭乗拒否をされる事もあります。お気をつけ下さい。
また、体調が悪い状態で飛行機になると悪化する事がほとんどで、良くなることはまずありません。実際に、体調が悪いまま飛行機に乗り、残念ですが亡くなられた方もいます。
気圧が変わる事が身体に良い訳がありません。体調の悪い時の飛行機での移動は避けるようにしましょう。
今回は3つのトラブルを紹介しました。これを見て飛行機は怖いと感じられたかもしれませんが、お客さまご自身で防げる事もあると知っていただけたと思います。
また、飛行機を飛ばすには多くの人の力が必要という事もわかって頂けたのではないでしょうか。特に、イレギュラーが発生した時には普段以上の協力が必要不可欠です。
航空会社志望であればイレギュラーに関する事も企業研究の一環として知っておくべきです。
今後も、機内で起きる困ったことなどご紹介したいと思います。
今日もお疲れ様でした😊