今日のテーマは「健康診断」について、
こんな方に読んでいただきたい内容です。
・航空会社の健康診断の内容が知りたい
・どうして健康診断があるのか知りたい
・健康診断で落とされることがあるのか知りたい
客室乗務員の最終面接で、健康診断があることはご存知だと思いますが、その健康診断で落ちるという事があることはあまり知られていないのではないでしょうか。
事前に健康診断について知っておくことで、改善できる健康面もあります。
より多くの方に知ってもらい、最終面接で悲しい結果にならない為にもぜひ読んで頂きたいと思います。
・どうして健康診断を受ける?
まず初めに、どうして客室乗務員は健康診断を受ける必要があるのでしょうか。
その理由は、お客様の命を守る仕事だからです。
緊急時には、飛行機から大体マンションの3階くらいの高さから滑り台を滑って脱出しなければなりません。
客室乗務員には、全員を脱出させる任務があります。
飛行機はお体の不自由なお客様も利用されます。そのため、その方を背負って脱出しなければいけません。そのような事態を想像してみると、健康でなければならない理由がわかると思います。
その他、仕事中、離陸と着陸の際には体に大きな負荷がかかります。
特に着陸の際、大きな衝撃が腰痛の原因になることもあります。
この強い衝撃のある着陸のことをハードランディングと言います。
雨で滑走路が濡れて滑りやすい時などはわざとハードランディングをして、飛行機を着陸させることもあります。機内へ乗り込んだ際、CAの座る座席を見た事がある方も多いと思いますが、私たちの座る座席はお客様の座席よりも簡易的です。
クッションの厚みも5cmくらいで全く衝撃を吸収してくれません。。。
*お客様の座席には厚みのあるクッションが使用され、多少の衝撃があっても腰痛になるような心配はないのでご安心ください。
CAは国内線を乗務するとなると、多くて一日5回くらい着陸を経験します。
その為、ヘルニアや側湾症のある場合、日に日に負担が増していき自分が辛い思いをします。
その他にも、気圧で中耳炎になりやすく、特に風邪を引いているときに飛行機に乗ると膜を張っているような状態から通常の状態に戻らなくなってしまう事があり、航空中耳炎と医師に判断されます。
中にはこの航空中耳炎を繰り返してしまい止む終えず、CAを辞めるという人もいます。
・健康診断のチェック内容
身長、体重、尿検査の他に内科、耳鼻科、眼科、整形外科のチェックがあります。
●内科
・血圧・脈拍測定
・心電図
・採血
・内科検診
●耳鼻科
・聴力検査
・耳鼻科検診(鼻の通りを確認)
・インピーダンス検査
●眼科
・色彩の確認
・視力検査
・眼科検査
●整形外科
・平衡感覚の確認
・腰骨の確認
・レントゲン
・健康診断で落ちることはある?
客室乗務員の採用試験で、健康診断の結果、不合格になるというケースは実際にあります。
理由は人によって様々ですが、側湾症やヘルニアなどが原因ということを耳にしたことがあります。
もしも、現段階でどこかに不安がある場合は一度健康診断を受けてみるのもいいかと思います。
ただし、特殊な検査も含まれる為、航空身体検査を実施している病院へ行かなければなりません。
さらに、この検査は費用も高いです。
航空身体検査を受ける方はCAにはあまりいませんがパイロットを目指す方が事前に受けるという話はよく耳にします。
特に心配のない方は事前に健康診断を受ける必要はないです。
ただし、腰に違和感があると感じる場合は、一度医師に見てもらうことをお勧めします。
側湾症と診断された場合、度数も重要になります。航空会社によってOKな度数が違う為はっきりとはわかりませんが、軽度の場合は再検査を最終試験後にお願いされる場合もあります。
重度の場合は残念ながら不合格になる事が多いです。
・健康診断で不合格だった時、どうすればいい?
航空会社の客室乗務員試験の健康診断は、会社によって内容が異なります。
そのため、A社はダメだったけどB社は合格できたというケースはありま。
また、大抵の場合健康診断で不合格だったという通知がされないため、面接がダメっだのか、縁がなかったのか、身体検査に引っかかったのか区別がつかない場合がほとんどです。
そのため、何度でもチャレンジすることは可能です。
もしも、健康診断に関する不安や思い当たる点がある場合は、事前に専門家(医師)に相談することをおすすめしますが、問題がなければ諦めずに挑戦するべきだと思います。